フィルムスタディーってどんなことをするの?ストーリーアーティスト栗田唯さんに聞いてみた

先日、ストーリーボードを勉強する6つの方法について、ストーリーアーティストの栗田唯さんにお話を伺いました。

ストーリーボードアーティストになるためにはどうしたらいいの?MARZA高橋さん、ストーリーアーティスト栗田さんに聞いてみた!【前編】

  1. フィルムスタディー
  2. ジェスチャードローイング
  3. カフェスケッチ
  4. 風景スケッチ(パースとか構図、レイアウトの勉強)
  5. カフェスケッチ風景込み
  6. ワンワードアサインメント

本日の記事はそのうちの一つ、「フィルムスタディー」では実際にどういうことを学べばいいのか?について栗田さんからのお話をもとにお伝えしたいと思います!

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ

 

フィルムスタディーとは

栗田唯さんのフィルムスタディ:アリス

フィルムスタディーとは!

既存の映画をサムネイルの大きさでコピーしていく勉強のこと。

構図、レンズを学びつつ、出来るのであれば「4つのバリュー」を利用した「シルエットの勉強」も一緒にできるとなおよい!そうです。

※4つのバリュー:白、薄い灰色、濃い灰色、黒の4色のこと

>> 栗田唯さんのフィルムスタディーサンプル
>> フリーランス ストーリーアーティスト Ian Abando氏のフィルムスタディー1
>> フリーランス ストーリーアーティスト Ian Abando氏のフィルムスタディー2
>> フリーランス ストーリーアーティスト Ian Abando氏のフィルムスタディー3

 

フィルムスタディーで何を勉強したらよいのか

仮にじぶんが「こんなストーリーのこんなオチがある話を描きたい」と考えたときに
「どのようにすれば、そのストーリーをしっかりとみている人に伝えることができるのか」
という構図や演出、カメラアングル、そのほかもろもろのことを

すでにある映画から抽出して
自分のストーリーに使えることはないか

自分のボキャブラリーやアイディアとして得られる勉強がフィルムスタディーであるとのこと。

 

フィルムスタディー:二つの勉強方法

1:作りたいものが分かっていない場合

作りたいものが分かっていない場合では、自分の引き出し・ボキャブラリーを増やし、

「ストーリーを伝えるために、どのような構図や演出、画面比率を利用しているのか」を勉強するという向き合いかた。

自分のうちからアイディアを出すために、自分の中だけのもので勝負しなければいけないわけではなく

もともとすでにある御手本(それこそ今は豊富に映画がありますし)から、自分の引き出しとなるようなボキャブラリーを増やしていく訓練ということですね。

 

2:作りたいものが分かっている場合

作りたいものが分かっている場合は、リファレンス探しの旅。

作りたいものをどのように伝えたら、どのように伝わるのか、という効果的な方法を知るための学び方です。

  • アクションだったら?
  • 感動的なシーンにしたいとしたら?
  • コメディな楽しい要素をこの場面にいれるとしたら?

すでにあるアイディアを、どのように構成したら、演出したら、、、、ということを探す旅のような感覚ですね!

 

「まずはマスターコピー」という考え方

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

「まずはマスターコピーをする」ということって、ジェスチャードローイングでもカフェスケッチでもフィルムスタディでも、大切なことなんやないかなーって僕は思ってる~

ジェスチャードローイングを学ぶ上でのマスターコピーをすることの重要性を、栗田さんはよくジェスチャードローイングクラスでお話をされているのですが

その意図としては、

すでに先人が描いている答えをもらいつつ、先人が見つけた「答え」を自分の中に取り込んでいくような感覚になってほしいとのこと。

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

もうすでにあるレジェンドたちのお手本を生かさない手はない!

 

マスターコピーをするという考えが、フィルムスタディーでもある、というお話しをいただきました。

 

じゃあ、具体的にフィルムスタディ、どうやったらいいの?

実際の映画を見て、例えばどんなふうにそれをやったらいいのか~などの話は、文字で書くよりも、実際に栗田さんに話してもらったほうがわかりやすいはず!

ということで、後ほど動画撮影をさせていただいた後、こちらにペタリさせていただこうと思います~。

今しばらくお待ちくださーい。

 

最後に:栗田さんからの言葉

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

あれやんなきゃ、これやんなきゃ、って焦ることあるとおもうけど、こういう勉強こそ、楽しんでもらえたらいいなー。

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

「スタディー」っていうものは「学ぼう!」と思ってやるっていうより「やり続けてみたら、あとから理屈が付いてくる」とおもってる。というか自分の感覚的・経験的にはそんな感じ。

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

あまり気負わず、でも作品へのリスペクトの気持ちを忘れずフィルムスタディー取り組んだら、絶対自分を強くしてくれる!と僕は信じてます。

ストーリーボードアーティスト フィルムスタディ
栗田

ストーリーボードに興味がある人は、ぜひ取り組んでみてね~。僕も初心にかえってやろーとおもってる!多分やる!

「楽しむ」というのは、栗田さんが話されるすべてに共通されてるキーワードですね!

理屈が後からついてくる、のお話もまた別の機会にきかせていただこうとおもっています^^

 

さて、今回は「ストーリーボードを勉強する6つの方法」の1:フィルムスタディーについて、でした。

また次回は「ジェスチャードローイング」についてお話を伺ってまいりたいと思います^v^

栗田さん、貴重なお時間をありがとうございました~!

栗田唯 プロフィール

Animation Aid ジェスチャードローイングクラス講師 ストーリーボードアーティスト 栗田唯

講師: 栗田 唯 (ストーリーボード アーティスト)

高知県出身。2012年にサンフランシスコの美術大学AAUの大学院に入学。

Blizzard Entertainmentにてストーリーボードアーティストとしてキャリアをスタートし「Overwatch」や「Hearthstone」などの短編作品に携わる。その他Marvel Studiosのテレビシリーズに参加。現在は MARZA ANIMATION PLANETにて活動中。

2018年現在、株式会社ボーンデジタル・アニメーションエイド主催のQuick Studies Workshopを毎月開催している。

インスタグラムhttps://www.instagram.com/yui_kurita/
Twitter@yui_kurita