「人物を描くにあたって技術や表現の底上げをしてくれた!」と感じているオススメの教本5冊
絵の描き方や資料などの書籍は2300円平均で、ちょっとお高いものだと6000円くらい。
なので、思ってたのと違う!という書籍に出くわした時はちょっとお財布が寂しい気分になります(笑)
そんな「思ってたのと違う!」を少しでも解消できる購入前の参考になればと思い、過去60冊ほど購入してきた中から、オススメの5冊をご紹介させていただこうと思います。
今回のオススメテーマは「人体を描く際の自分の技術の底上げをしてくれたオススメ5冊」です。
1:リズムとフォース 躍動感あるドローイングの描き方
人体の「躍動感」はどのように表現したらいいのだろうか…と悩まれている方や、ディズニーアニメーションのような、ワンストロークの力強さ、生命力を手に入れたい方に、オススメしたい書籍です。
オススメPOINT
- 画面のリズムはどこに流れていて
- どこがねじれがあって
- 躍動感ある動きを描くためにはどうしたらいいか
ということを、ダイナミックなドローイングとともに感覚的に把握し、手でそのリズム感をつかむことができるようになる書籍です。
また、美しいストロークを引くために必要な心構えなども、たっぷりと収録されています。
全く描けないうちからこの書籍を手に取っていたら、そこまで感動はしていなかったと思うのですが、ある程度人体を人体らしく描けるようになってきたタイミングで、この書籍を手に取れたということが、自分にとっての底上げポイントになったのではないかなーと思っています。
「ある程度人を描くことに慣れてきたけれど、しなやかさ、柔軟さが不足している」と感じ始めたタイミングで手に取ると、きっとその部分を補う練習の友になってくれることと思います。
絵の中の硬さを払拭したい方へ是非。
2:マイケルハンプトンの人体の描き方
「筋肉をヒトカクと同じような感覚で把握して描けるようになりたい…んだけどそんな書籍はないんだろうか」と考えたことがある方には、是非お勧めをしたい書籍です
オススメPOINT
- 筋肉を簡単な図形に置き換えて把握ができるようになる
- 筋肉の動的なしなやかさはどう表現するか理解できるようになる
- 体のしなり、のび、緊張、テンポ、リズムをキャンバスの上で表現方法を知ることができる
この書籍をざっくりと例えて言うとしたら
人を描くのって楽しいね + リズムとフォース ÷2
といった書籍だと思います。
3:スカルプターのための美術解剖学
人体を描くのにほしい資料が「痒い所に手が届く」感じで220Pにわたってまとめられています。
「人物を自分の思い通りに描くため」へ投資したい方だったら、よい投資先資料だと思います。
ちら見の時点で感動しすぎてなでなでしていたら指紋と手あかが早速べたべたになってしまったほどでした。
痒い所に手が届くというのは何処なのかというと「筋肉の凹凸が等高線みたいな感じで図解してくれている」というところです。 スカルプターのためのと銘打ってあるだけあって、「立体をとらえるために効率よく把握できる」資料提示をしてくださっています。
また、筋肉が複雑に絡み合う顔面凹凸についての詳細も多く記載されているので、どのような図形を頭に描きながら、顔を組み立てたらよいのかがわかります。
5000円+税と少しお高めな資料書籍かもしれませんが、「絵を思い通りにかけるようになりたい!」という方には必携の書になります。一生手放さない良き友になってくれることと思います。
4:ロンハズバンドが教えるクイックスケッチ
いまこの瞬間に降りてきたアイディアを残す精度を高めたい!…と思っている方にオススメの書籍です。
オススメPOINT
- シルエットで動きをとらえることができるようになる
- 流れるような動きのごく瞬間を書き留めるコツを知ることができる
- ボールペンでの一発描きが怖くなくなる
あ!いまの動きすごい好き!…と思ったものをどのように画面にラフとして残したらいいんだろうと探していた時に出会った書籍です。
ちょこちょこと外出先でスケッチをしたり、好きな洋画ドラマをみているときに書き留めるということをしてはいたのですが、うまいこと形に収めることができずもぞもぞしていました。
この書籍をとって以来、「どのように動きを受け止めたらいいのか」「その受け止めた情報をどのように線に伝えたらいいのか」「シルエットをどのように把握したらいいのか」などがわかり、流れるような動きの中のその一瞬を描くことに、前向きに取り組めるようになりました。
また、他書籍利用時では「形を覚える」「ストロークを覚える」ために、一つ一つ納得のいくまで何度も消して書き直すということ練習するようにしていますが、この書籍をもとにスケッチを練習するときは、ボールペンの一発描きで、間違いを恐れずに線が流れていくのを楽しめるように、気を楽に描くようにしています。
失敗をしないようにと緊張した状態で描く線より、失敗を気にせず楽しんで描いたときの思いがけない線のほうが生き生きとしていることがありますよね。
この書籍では、「生き生きとした線」を気楽にだせる確率、精度があがる為のエッセンスが、実際のスケッチとそれに対しての説明文でたっぷり収録されています。
そのため、私はこの書籍を利用する際は、ラフを清書としてきれいな線で仕上げられる様になるためのものとして考えてではなく、ラフにアイディアや生命力を載せるためのものとして、活用させてもらっています。
頭に描いたアイディアや降りてきたインスピレーションを素早く書き留め、理想の描きたいモノを描くための材料・引き出し作りの一環として、活用いただきたいオススメ書籍です。
5:ルーミス先生のやさしい人物画
「どうしたら人体を人体らしく描けるか」を理解でき、人体描写の基礎となる書籍です。オススメPOINT
- 人体を人体らしく描くためのエッセンスがバランスよく詰められている
- 特に顔に位置するそれぞれのパーツの位置関係については基礎として他書籍の把握がしやすくなる
- 全ページを模写するだけで、底上げされる
ルーミスの書籍は、ほか書籍の理解度を上げる土台になるモノ
絵がうまくなりたいと言うと、「まずはじゃあルーミスを…」とこの書籍を紹介されることが多いですよね。
とはいえ、「やさしいってかいてあるけど、実際はやさしくない人物画」としてもよく目にしていたので、(内容を見ても難しそうで手を出したくなかった)易しくないことをやりたくなかった私は、長い時期遠ざけていました。
その時期は、「こうしたら足らしくみえるよ」「こうかいたら顔としてなりたつよ」という局所にたいして具体的かつ実践的なhowtoがかかれていないと参考にできずにいました。
いうなれば、基礎のない状態に張りぼてを作っているような形になってしまっていたのです。
そのため、本当に描きたい!と思ったポーズにたいして、何から手を付けたらいいか分からない状態でした。
そんなもやもやを抱えていたある日、アニメ私塾の室井さんの動画で「ルーミスやったらうまくなるよ」「やりかた?1冊全部模写すればいいんじゃない?」とおっしゃっていたのを聞きました。
「1冊!?まるまる!?あれを!?」と一瞬引きぎみになったのですが、アニメ私塾の室井さんがツイッターで話されていた「絵がうまくなる方法」や「考え方・マインドセット」の部分に深く感動していた私は、やるしかないだろうなーと一念発起し、1冊まるまる模写することにしたのです。
今思い返すと「やってよかった。室井さんありがとう…」という、この言葉につきます。
「描きたいものを描けるようになる」土台になったのは勿論のこと、美術解剖学のような書籍や、リズムとフォースのような書籍を手にとった際、何をいっているのかさっぱり理解できなかったものが、理解できるようになりました。
ルーミスのやさしい人物画の書籍を1冊まるまる模写し、それと同時に書かれている文章をしっかり読んだことで、脳内でも基礎としての土台ができ、ほか書籍の理解度がぐっと上がったのだと感じています。
もし、「もっと思い通りに人を描きたい」と感じていて「ルーミスはまだ手に取ったことがない」という方は、是非「やさしい人物画」を手に取ってみてください。
1冊まるまるをルーミス先生の説明する意図をもって模写をされれば、確実にその状況に近づきます。
線一本書いたその積み重ねが、確実に上達する線1本となりますよ!
気になった本はありましたか?
以上、過去60冊以上購入した中で、私が人物を描く技術の底上げになったなあと実感した、オススメ教本5冊でした。
何かの参考になれば幸いです。
最後に、ルーミス先生の「やさしい人物画」で書かれていたとても勇気づけられる言葉を引用掲載。
「とにかくたくさん描くこと」
「今すぐ描いてみること」
「数多くの実験をすること」
「人体模型の骨格と付き合った時間は必ず報いられる」
引用:ルーミス「やさしい人物画」より
このページで紹介した書籍
追伸
2021年12月25日、26日の2日間連続開催で、恩師でもあるストーリーアーティストの栗田唯氏と「8つの勉強法」と言うセミナーを開催いたしますー
こちらのセミナーで「楽しみながら絵が上手くなる!」な内容を盛りだくさんで、現役のストーリーアーティストの方にお話をしていただく予定なので、ご興味ありましたらぜひにー。
普段している活動など
FANBOX
https://hakubi8888jt.fanbox.cc
Booth(紙媒体)
https://sugarsugar310.booth.pm
Booth(電子媒体、セミナーアーカイブ)
https://satofukurou.booth.pm